テニスの陣形 並行陣の3つの基本的な考え方

一般的にダブルスの陣形として、雁行陣と並行陣の2種類が主流となっています。

雁行陣はバランスのとれた陣形、並行陣は攻めの陣形と位置付けられています。

ですが、陣形とはそもそも相手に攻め入られない位置取りをすることを意味し、守備的な要素として使われます。

テニスの陣形も同様で、相手にスペースを与えないための位置取りが陣形となります。

攻めの陣形と認識づけられている並行陣は、実は守備的要素を多く含んでいる陣形なのです。

テニスの試合でもよく使われる並行陣の本来の目的や考え方について、お伝えしていきます。

テニスの試合で並行陣を取る目的

並行陣の目的は2つあります。

1. 相手の時間を奪う

前にポジションを取る並行陣は、雁行陣と比べ、相手にとって時間がない状況を作り出せるため、相手にとってより攻めにくい状態を作ることができます。

ボレーが得意だから並行陣を取る というのも並行陣を取る理由の一つかもしれませんが、本来は相手が嫌がる陣形として並行陣があります。

2. 左右のスペースを消すことができる

前につめることで、相手から見える景色は、左右の幅が異常に狭く感じます。

テニスのコートの幅は約11mです。人が足を一歩出して取れる範囲は片側で2m、両側で4mです。二人がただコートに立っているだけで約8mを守ることができるのです。

この2つの理由から、並行陣は左右の打球に対しての守りの要素が強い陣形であることがわかると思います。

並行陣のメリット

並行陣のメリットは、ただボールを繋げているだけで十分攻撃的要素も含まれる点です。

相手の時間を奪うだけで、相手は劣勢の状態になります。

雁行陣では、チャンスメーカーとして、前衛者が決めるパターンを作るための戦術を組む必要がありますが、並行陣は極端に言ってしまえば、ただ繋げているだけで戦術として成り立ちます。

また、左右に動く距離が雁行陣に比べ圧倒的に少ないので、相手にスペースを与えにくい点もメリットとなります。

並行陣のデメリット

並行陣のデメリットは、縦のボールに弱いことです。

テニスコートは縦長にできているため、並行陣のように前にポジションを取ると後ろのスペースがすごく空いてきます。

また、人間は左右、前の動きは速く動けますが、後ろへの動きは遅くなってしまいます。

雁行陣側が並行陣に対してのおこなう戦略の一つにロブで相手の陣形を崩す があります。

これはまさに、並行陣の弱点を突いた戦略です。そのため、並行陣を取るプレーヤーはスマッシュが必須技術となります。

陣形には必ずデメリットが存在します。ですが、それを含めても、並行陣は守備的要素も攻撃的要素も兼ね備えた陣形と言えます。

並行陣の基本は「ポジショニングと役割」

テニス試合でよく使われる並行陣は、二人が平行に並んだポジショニングだと思っている方が多くいます。

しかし、並行陣の中にもチャンスメーカー役、攻撃役の役割がしっかりとあります。

並行陣のメリットは左右の対応に強いと言いましたが、実は平行に並んだ並行陣は左右のボールに非常に弱くなります。

というのも、基本的にテニスの試合で展開作りや繋げのボールを配球するコースはクロスとなりますが、クロスから飛んでくるボールに対して平行に並んでしまうとセンターのスペースが広くなってしまいます(図を参照)

正しいポジションの位置を知ることと、ポジションの位置ごとの役割についてしっかり理解することが、左右の守りに強い並行陣を作ることができます。

基本のポジショニング

並行陣の陣形も雁行陣のように前と後ろに位置づけをします。

理由はセンターのボールを抜かれにくくするためです。

また、役割をしっかりすることで、ロブの対応も明確になっています。

テニスの並行陣 基本ポジション

前衛者

ダブルスラインとセンターラインの中間、ネットとサービスラインの中間の両者が交わった場所が並行陣前衛のポジションです。

後衛者

サービスライン上を目安として、前衛者を後ろから確認できる位置。体の向きを対ストローカーに向け、ダブルスラインから内側に約2mの位置がショートクロスにもロブにも対応できるベストの位置です。

この位置を基本として、状況によって位置取りを変えていくが並行陣のポジショニングとなります。

並行陣における2人の役割

まず並行陣は、基本ポジションを取るだけで、相手にプレッシャーを与えられることを理解しましょう。

雁行陣では前衛プレーヤーが攻撃役、後衛プレーヤーがバランスを取るといった明確な役割があります。

しかし、並行陣の場合は、前にいるプレーヤーが必ずしも攻撃だけというわけでもありません。

もちろん、より前に位置取りしているプレーヤーの方が攻撃要素は高いですが、実はポジションを前に取ることで、相手にとって左右のスペースを消す効果があります。

そういった意味では、攻撃要素と守備要素を兼ね備えた役割を果たすのが前衛者となります。

後衛者の場合、チャンスメイクと同時に守備的要素が強い役割となります。

後衛者が安易にコースをついて攻撃をすると、思わぬ反撃を受けてしまう場合もあります。

これについては後述で詳しく説明していきます。

それぞれの役割は、並行陣の前衛は左右のスペースを消すことと攻撃の役割、後衛者は全体を見渡す万能的な役割となります。

並行陣の戦略の基本は「陣形を崩さない」

並行陣で一番重要なのが、陣形を崩されないことです。

並行陣を取るだけで相手にとってプレッシャーを与えることができるため、並行陣そのものが十分な戦術となります。

ですが、並行陣にいるとどうしても攻撃を主体にして、プレーをしてしまいます。

速いボールを打てば、早いタイミングでボールが返ってくるためロブなどで陣形を崩されるきっかけになりますし、角度をつければ角度のついたボールが返ってきて左右のスペースを与えるきっかけとなります。

また、安易にコースを変えれば、並行陣の前後の位置関係を変えなくてはなりません。

試合で陣形を保つためには

テニスの試合で並行陣をできる限り保つためには、コースを変えないことが一番です。

ストローカーにボールを配球したのであれば、二人でずっとストローカーを狙うことで、相手からの何かしらのアクションがない限り、陣形を保つことができます。

並行陣後衛者がストレートにコース変更をした場合、並行陣の前後の位置関係を変えないとセンターががら空き状態になります。

コースを変えて、こちらの陣形を変えなければならないリスクを負うメリットがないのです。

テニスの試合では、並行陣は1人のプレーヤーを2人で集中攻撃する!がまず、並行陣でプレーするための基本的な考え方となります。

その考え方ができて、はじめてテニスの試合で戦略としてコースを変えて、それにともった陣形を組むことに繋がってきます。

並行陣の基本の考え方まとめ

並行陣の基本を知ることで、テニスの試合でも自信をもって陣形を組むことができます。

並行陣にでているのに、テニスの試合で全然勝てないという方は、もう一度基本に立ち返ることで、何が足りないのかが明確になってきます。

並行陣の目的は、左右のスペースを消す 相手との時間をなくす の2つです。

これらの目的を理解したうえで、テニスコートをより活用するために角度のあるボールを配球するなどの応用が見えてきます。

何事も基本の上に応用があるので、ぜひ並行陣の基本の考え方を参考に、プレーをしてみてください。

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