シングルスの戦略の考え方

そもそも戦略とはなんでしょう?

似た言葉に戦術という言葉もあります。この2つは似ているようで異なります。

  • 戦略…勝つためのシナリオを立てること
  • 戦術…戦略を実施するためのいくつもの技術

テニスでいう戦略とは、勝つための考え方であり、ポイントごとではなく、試合トータルで見た時に勝てる作戦を立てることを言います。今回は、シングルスでの戦略の考え方について3つご紹介していきます。

シングルスで勝つための考え方

 

シングルスの試合はメンタル・技術・観察力などあらゆる要素の上に成り立っています。

まずは相手の力量やクセ、戦い方などの「観察」が必要になります。相手を打ち負かすためには戦術も必要になります。戦術はポイントを取るための行為であり、技術が必要になってきますね。

また、「メンタル」も非常に大事な部分を占めます。

テニスはメンタルのスポーツと言われるほど、孤独との戦いになります。特にシングルスの場合は、誰も助けてくれません。そんな中、どのように精神を保つかが勝つために必要な要素になります。

そして「戦略」です。

技術が劣っていても、戦略を立て、しっかりやりきることで格上の相手にも勝てるスポーツがテニスなのです。自分と相手、コートや天候を天秤にかけ、今の自分にできることで勝つためのシナリオを描くことが戦略です。

相手は、ショットはすごいがミスも多そう、自分は体力には自信があるから絶対相手よりも先にミスをしないぞ!

なのでこういった考え方も立派な戦略の一つなります。

ちなみに「自分がミスをしないため(目的)に、スライスを多く使おう(手段)」は、立派な戦術となります

戦略と戦術を明確に分けることで、試合の目標を見失わないようになります。最終目標は、シングルスのゲームに勝つことですから、勝つためのプランはぶれてはなりません。戦術については以下の記事にまとめたので参考にご覧ください。

では、戦略を立てる上での考え方を3つご紹介します。

シングルスの戦略の考え方① 相手の嫌がるプレー【弱点を狙う】

 

卑怯だなんて思わないでください。これも立派な戦略です。

弱点を狙う戦略は最もポピュラーですが、弱点を見抜くための観察力が必要になります。

 

(例)弱点を狙う。

最初の1ゲームは相手の弱点を知るために、多くラリーを繋げる。

弱点が把握できたら、その試合は相手の弱点を中心に攻めていく。

相手の弱点を知るために、あえて最初のゲームを捨てて、相手の弱点を見極めることに徹するといった戦略。

最終的に勝利を手に入れることが目的なので、1ゲームくらい相手にあげても良いのです。これが、戦略の考え方です。

相手の弱点にボールを配球できれば、どんな球でも良いのです。綺麗な軌道のボールでなくて良いわけです。

このように、相手が嫌がることをやり続けることで、相手に気持ちよくテニスをさせなくする効果があります。

自分が気持ち良いショットを打っても勝てない

戦略とは、相手がいて成り立つものです。

自分が気持ちよくプレーできることは非常に良いことですが、相手にとって嫌なプレーでなければ勝つことは難しくなります。

勝つことが目的ならば、時には自分の理想とするテニスを捨てなければならない時もあります。

10球に1球しか入らないショットよりも、10球中7球、8球入るショットを続けた方が相手は嫌がります。

自分に置き換えてみましょう!ミスしない相手って嫌じゃありませんか?

相手の嫌がることをするためには、自分が今できるショットを知ることも戦略を立てていく大きな要素となります。

シングルスの戦略の考え方② ミスをしない【センターセオリー】

シングルスの試合をする上で、定番の戦略となります。

試合では、ネットやアウトのプレッシャーの中、何十回、何百回とラリーをしなくてはなりません。

センターに狙う!という目的がはっきりしているだけで、やるべきことに集中できるためミスがかなり減らせます。

ミスが多くてなかなかシングルスで勝てないといった方にはおすすめの戦略ですね。

 

では、なぜセンターなのでしょうか?

センターのボールは一見相手にチャンスを与えているように感じますが、自分側に大きなメリットがあります。

センターセオリーのメリット

  • ショットが安定する
  • 角度のついたボールが来なくなる
  • 相手のミスを誘うことができる

 

相手によっては横に振られた方が、足が動いて良いショットを打てるという人もたくさんいます。

センターばかりに打たれると、相手はそれを嫌がり自分から攻撃を仕掛けてきます。相手にとっては攻めざる負えない状況になっているわけです。

そうなれば、ペースはこっちのもの!センターに打つという目的がしっかりしていれば、他に余計なことを考えることもなくなるので、相手の言動や得意ショット、苦手ショット、攻めパターンなども見えてきます。

また、自身が攻められている時にセンターに返球することを徹底することで、ミスを減らせ相手の攻撃に対応できるメリットも含んでいます。

センターセオリーのデメリット

メリットも大きいですが、センターセオリーはデメリットもあります。

  • 打ったボールが浅いと相手に攻め入れられる
  • 相手の体力を消耗できない

 

センターセオリーは、相手を左右に走らせることもなくただ真ん中で打ち合うだけになりますので、相手の体力を消耗させることが難しいです。

さらに、自分が打ったボールが浅いと相手に攻め入られるチャンスを与えてしまうというのもデメリットの一つです。

なのでセンターセオリーでラリーをするときは、相手の弱点を見抜くためだったり、試合中にミスが多くなってきたときにセンターセオリーという考えのもと、ボールを配給することで精神的に安定することができます。

最低の自分を想定する

センターセオリーは地味ですよね?

 

ダウンザラインにウィナーを取りたい!

パッシングショットをしたい!

ショートクロスからの展開で相手を揺さぶりたい!

 

こんな思いは誰もが描くと思います。ですが、それでは勝てません。というのも、すべてのショットが入るわけではないからです。球出し練習ではすごいショットが打てるからといってそれが自分の実力ではないということです。

試しに、ロングラリーで、3分間ノーミスでラリーをしてみてください。

…このノーミスラリーを意識した時のボールのスピードこそ、試合で打てるボールのスピードの実力なのです。

練習の時と自分と試合の時の自分は別人と認識することが大切です。シングルスでは、プレッシャーや孤独感、疲労など様々な要素があるので、実力の半分も出せないのが普通です。好不調の波に左右されるのは、戦略とは呼べませんよね。ノーミスラリーは自分の中での最低の実力となりますので、最低な自分を知ることで背伸びをした戦略を立てなくなり、堅実なテニスができるようになります。

ポイント毎に気持ちを左右させない。

シングルスやダブルス問わず、ポイント毎に気持ちを左右させないことが重要です。

特にダブルスと違いパートナーがいないシングルスでは、自分自身の「気持ち」が大切になってきます。例えば、ダブルフォルトをしたから慎重にサーブを打とうとするケースを想像してみてください。サーブが入った時は「ほっ」としますが再度ダブルフォルトをして相手のポイントになった時はどうでしょうか?

「自分はダメだ」「サーブは苦手だから仕方ない」と、自分を責め立てるはずです。しかし、試合はそんな自分自身の感情なんてものは気にしておらず、淡々とゲームが進んでいきます。そのためポイント間でどれだけ冷静にゲームを進められるか気持ちの部分が大きく関与します。

1ポイント取った、取られたと言って一喜一憂しているようでは、試合の勝率は上がりません。

いかに試合中の気持ちを一定に保ち、かつ高いモチベーションで試合に臨めるかが大切になってきます。気持ちで負けなくなれば自然と試合でもいい結果を残せるのは間違いありません。

シングルスの戦略の考え方③ 勝つまでのプランを考える

テニスは相手よりも良いショットを打つことが勝ちの条件ではなく、相手よりもゲームを多くとることが勝ちの条件です。

言い換えれば、相手に4ゲーム取られても6ゲーム取れば勝ちということです。

性格やプレースタイルによって逃げ切り先行型か、追い込み型かはまちまちですので、自分に合ったゲーム獲得プランを作ることがシングルスで勝つための戦略のコツです。

 

 

できるだけゲーム差を放すことで余裕をもてる人は、初段階から何としてもゲームを取るための戦術を考えるようにしますし、相手の様子を見ながら後半から追い上げる人は、相手の情報を引き出すように初段階でプレーをしていきます。

シングルスの試合の最初の入り方でその後の試合の流れは大きく変わりますので、明確な目的をもって試合に臨みましょう。

シングルスの戦略の考え方のまとめ

シングルスにおいて戦略を立てることは試合に勝つために重要なことです。

そのためには、戦略の考え方を知る必要があるため、3つの考え方をお伝えしてきました。

戦略を立てることで無駄なミスは確実に減りますし、客観的に試合の状況を分析することも可能です。

ショートクロスを打った後、ムーンボールで相手をコートの後ろに追い出してドロップで決める といった細かいことを決める必要はありません。

むしろ、そういった細かい戦術が先行してしまうと、今やるべきことを見失ってしまいます。

そういったことは練習の中で身につく、自身の得点パターンなので、戦略とは異なってきます。ここを混同してしまうとなかなか試合に勝てなくなります。

シングルスの試合に勝つためには以下のような手順で戦略を考えるのをオススメします。

  • 自分と相手を客観的に見る
  • 相手の嫌がることをまず考える
  • そこに自分の攻撃パターン(戦術)を盛り込む

 

実力は自分の方が絶対上なのにシングルスでなかなか勝てないという方は、もう一度基本に立ち返り戦略についてじっくり考えてみてください。

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